毛髪の中心部にあるのが細胞組織の毛髄質です。
空洞に富んだ蜂の巣状の多角形の細胞が、
長さの一方向に数列並んでいます。
メラニン色素を含んでおり、
シスチンの含量は毛皮質より少ないともいわれています。
毛髪によって、
鉛筆の芯のように完全につながったもの、
飛び石状に切れているもの、
あるいはまったく無いものなどがあります。
太い毛髪ほど毛髄質の量が多く、
細い毛髪ほど少なくなり、
まったく無いものもあります。
直径が0.09mmくらいの太い毛髪には
ほとんど全部に毛髄質がありますが、
0.07mmくらいになると、
毛髄質のあるものは10本に1本くらいの割合になります。
一般に毛髄質の多い毛髪の方がフレキシプルで、
パーマがかかりやすく、
少なくなるにしたがい、
パーマがかかりにくくなります。
毛髄質の成分、
機能などは、
まだ充分には解明されていません が、
塞冷地に生息する動物の毛は
毛髄質が約50%以上を占めていて、
その毛髄質の空洞が空気をためて保存の役割を果たします。
毛が生存のために重要な役割を持っているというわけです。