第一弾に毛表皮だよ。
ウロコ状の硬い無色透明な細胞なので、
その縁は毛先の方向に突出しています。
根元から毛先に竹の子の皮のように見え重なって、
内側の毛表皮を取り除いて保護しているのです。
1枚のウロコは
毛幹の外周の1/2~1/3を包み、
外から見える部分は、
20%前後で、
残りの80%前後は順次重なりあっているのです。
重なっている枚数は毛髪によって異なりますが、
通常、
4~8枚が密着しています。
この毛表皮の重なりによってできた模様を紋理と呼んでいるのです。
紋理は
毛表皮の形、
重なり、
発生部位によって異なり個人差もあります。
また、
動物の種類によっても異なるために、
犯罪捜査や毛皮の真偽の鑑定などにも応用されていますからね。
毛表皮は、
油となじみやすく(親油性)、
水や薬品の浸透や作用に対する抵抗力があり、
外的な影響から毛皮質を保護しているのです。
したがって、
物理的な刺激(コーミング、ブラッシング、カッティングなど)で
毛表皮の損傷、
剥離、
脱落などが起きると、
毛皮質の損傷を引き起こすわけです。
このため毛髪の状態が
良いか、
悪いかを
紋理の状態によって判断することができるわけですね。
毛表皮の毛髪に占める割合は10~15%であり、
この量が多いほど、
毛髪は硬くなるのです。