加齢とともに劣化していく。

毛細血管の減少が、病気や老化の原因になるのですか?

 

毛細血管の役割には、

全身のあらゆる細胞のすぐそばに毛細血管は存在し、

細胞が必要とする栄養素を届ける、

いわば宅配便のような役割を担っています。

 

食べ物の栄養素を気にしますよね? 

魚にはタンパク質がたくさん含まれているとか、

この野菜はビタミンCが豊富だとか・・・。

 

でも、

食べたものをきちんと体内で吸収して各所に届けないと、

栄養素はあなたの血や肉、骨にはなりません。

 

各所の細胞に“どうぞ”と栄養素を直接渡す場所が毛細血管なのです。

 

加えて、

体の働きを調節するホルモンや、

病原菌や異物の侵入を防ぐ白血球などの免疫細胞を運ぶ役目も果たしています。

 

また、

皮膚に近いところの毛細血管が

拡張・収縮することで熱の出入りを調整し、

体温が一定に保たれているのです。

 

このように生命活動に不可欠な毛細血管ですが、

残念ながら加齢とともに劣化してしまいます。

 

毛細血管を構成する細胞と細胞の間に

必要以上に隙間ができて

栄養素や老廃物が過度に漏れ出てしまったり、

血管の弾力性が失われ血管内が狭まって詰まりやすくなったりします。

すると、その先の毛細血管に血液がいかなくなるのです。   

 

管はあるのに血液が流れないこの現象を、

“ゴースト化”といいます。

そして、

使われなくなった血管はやがて脱落するのです。

 

女性の場合、

女性ホルモンが減少する40歳ぐらいから毛細血管が減り始め、

60代になると20代の頃に比べて4割も減るというデータもあるのです。   

 

毛細血管の減少は、じわじわと体の機能を侵していきます。

 

栄養分や酸素の供給、老廃物の回収が滞ることで、

毛細血管の先にある臓器の働きも低下していくからです。

 

たとえば胃や腸の活動が低下すると、

胃炎、

胃潰瘍、

便秘、

下痢などを招きますし、

腎臓の機能が落ちれば、

腎疾患や高血圧などを引き起こす可能性があり、

心筋梗塞や脳卒中の遠因にもなりうるのです。   

 

また、ウイルスや細菌から体を守る免疫細胞も届きにくくなります。

すると、免疫力が弱まって、

風邪をひきやすくなり、

感染症やがんなどの病気になるリスクも高まるでしょう。

そして目、

鼻、

のどの粘膜に水分を届ける機能も低下するので、

ドライアイや気管支炎などを引き起こす可能性もでてきます。

 

さらに新陳代謝が鈍くなり、

シワやシミ、

白髪、

抜け毛が増えるなど見た目にも影響します。