セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ・・・
子どもの頃に
一生懸命覚えた時代の人はなつかしい春の七草の名前です。
ゴギョウはハハコグサ、
ハコベラはハコベ、
スズナはかぶ、
スズシロは大根のこと。
この七草をおかゆにして1月7日に食べる七草がゆの習慣は、
江戸時代に広まったようです。七
草の種類は時代や土地によって異なり、
七草がもっと多くなったり、
少ない場合もあったそうですが、
いつの時代もどんな土地でも、
年頭にあたって豊年を祈願し、「
今年も家族みんなが元気で暮らせますように」と
願いながらおかゆをいただくその気持ちに差は無いようです。
ところで、なぜ七草がゆなのか?
七草は、
早春にいち早く芽吹くことから邪気を払うといわれました。
そこで、無病息災を祈って七草がゆを食べたのです。
古くはまな板の上で、
草をトントン叩いて刻むその回数も決められていたとか。
こんな、おまじないのような食べ方もすてきな和食の歴史です。
実はこの七草がゆ、とても料理にかなった習慣のようですよ。
七草はいわば日本のハーブ、
そのハーブを胃腸に負担がかからないおかゆで食べようというのですから、
正月疲れが出はじめた胃腸の回復には
ちょうどよい現代にもかなった食べ物かもしれません。
また、あっさりと仕上げたおかゆは、
少し濃い味のおせち料理が続いたあとで、
とても新鮮な味わいですね。
また、七草の効用として、
日本のハーブ七草にはどのようなパワーがあるのかな?
もちろん、いずれもみずみずしい緑の草ですから、
ビタミンがたっぷり含まれています。
緑が不足しがちなお正月、
滋養豊かな七草で料理してみませんか?
セリ 血液をきれいに保ち、高血圧や動脈硬化の抑制にも作用し、胃腸の調子を整えるという整腸効果も持っているスーパー食材。ビタミンA、ビタミンC、カルシウム、リン、カリウムが含まれる食材、あえ物やおひたしにしてもいい。
ナズナ 「なでて汚れをはらう」とされる縁起の良い食材ですよ。民間療法で用いられてきた植物で、高血圧・解熱・便秘・利尿・解熱・止血作用に効果が、特にビタミンKが豊富に含まれ、骨粗しょう症の改善効果が期待されている。煎じた汁で洗眼すると目の充血や痛みを和らげる効果がある。
ゴギョウ(御形) ハハコグサとも呼ばれるキク科の植物、「仏体」を表す縁起物。明治時代ごろまで草餅の食材として利用され、茶にして飲むこともあり、咳止め・痰きり・喉の炎症・利尿・むくみに効果がある。
ハコベラ 「繁栄がはびこる」として、縁起のよい植物。効能は七草の中でも多く、利尿作用・止血作用・鎮痛作用をはじめ、歯槽膿漏の予防薬として使用されてきた歴史がある。ビタミンB群やビタミンC、カルシウム、カリウムに加え、カロテノイドやフラボノイド、サポニンが含まれる非常に栄養素の豊富な薬草です。たんぱく質が比較的多く含まれ、ミネラルそのほかの栄養に富んでいる。
ホトケノザ 正式名をコオニタビラコ(小鬼田平子)といい、キク科の植物です。効能として、健胃・整腸作用、高血圧予防などがある。食べ方としては塩ゆでした後に流水にさらし、苦みなどを取り除いてから使用します。しょうゆの炒め物や天ぷら、山椒を効かせた佃煮にも調理されています。シソ科でホトケノザという植物もありますが、これは全くの別もので、キク科のホトケノザは黄色い花を咲かせるのに対し、シソ科のホトケノザはピンクの花を咲かせるので、見た目も異なります。なお、シソ科のホトケノザは食べられません。
スズナ 神を呼ぶ鈴として縁起物とされてきました。現在でのカブです。便秘・胃潰瘍・胃炎・風邪・骨粗鬆症・がんの予防に良いとされ、胃腸の調子が悪いときに食べられてきました。根の部分と葉っぱの部分でそれぞれ効能を持っており、特に葉にはビタミンA、B1、B2、C、カルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれています。七草粥を作るときは両方入れるとよいでしょう。
スズシロ その根は「汚れのない純白さ」を。栄養素としては、ビタミンA、C、食物繊維、ジアスターゼ、アミラーゼ、フラボノイドが含まれ、根と葉両方に栄養が詰まっています。消化不良や二日酔い、頭痛、発熱、冷え性、胃炎、便秘の解消など他にも様々な効能が期待されています。根の部分に特にジアスターゼが多く含まれ、食物の消化を促進してくれます。一方、葉にはビタミンやミネラルが多く含まれているため、両方とも七草粥に入れるといいですね。